2011年04月02日

被災地でできる子どもの心のケア(第5回)

「被災地でできる子どもの心のケア」の内容は、被災地以外の子ども、家族間、友人や知人、同僚や部下にも有効な「気づかい」が含まれています。

頑張ろうというメッセージは、震災に限らず、事実があり、すでに行動を起こしている人にはあまり有効ではありません。

また、祈りや願いはあいまいなものです。
絆というのは放送や文章やロゴだけで築けるものではありません。

コミュニティにそういったものを落とし込みすぎると、手の触れられるほど近くにいる人の異変に気づけなくなることもあります。

また、コミュニティそのものへの参加やコミュ同士の合流への足かせになる場合もあります。
特に日本人はこの傾向が強くみられます。

志を高く持つのはいいことです。
しかし、その前に、もっと緊急性を持った事柄が身近にあるのではないか、と考えることが必要です。

目的は明らかです。

アクションごとに細分化されるのは悪いことではありません。
しかし、方法・手段はさまざまでも義援金を集める、というのはひとつのアクションでしかありません。長期に行われるでしょうが、自治体が復旧を始めれば個別の寄付を求めるようになるでしょう。
そのことも忘れず、長く支援を続けるよう、息切れしない程度に続けることが必要です。

震災復興と考えたときに、義援金募金に関わることは、多くの人にとっては間接支援になります。
物資は直接支援のひとつです。
個別の寄付や就業支援、起業支援、就学支援、自治体や地域への受け入れなどさまざまに自分の経験やスキルを活かせる、あるいは労力や時間を提供する状況がこれから見えてくるでしょう。
経済活動と心のケアを十全に行いつつ、支援も続けなくてはいけないのです。
あの時、義援金を寄付したから、関係ないよ、としてはいけません。

環境と心の健康はあらゆるものの土台です。

これなくして復興を長く支えることは出来ません。
経済活動を行うことも出来ません。
就職活動や勉学、夢を実現するパワーや芸術活動も周囲の環境や理解、自身の心身の健康が支えになります。

では、本題です。

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東京学芸大学教授 臨床心理士の小林正幸さんより
掲載の許可は取っています。

子供を中心に書いてありますが、大人の方にも有効に働くと思います。
被災地にいないお子さんも、心のケアは必要になっています。

現地での心理的支援(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)に比べれば難しいことは書いてありませんので、是非お読みください。(PFAのまとめは最下段にPDFリンクがあります)


第1回 身体面からのこころのケア
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/192691026.html

第2回 辛さを受け止める(1)
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/192935967.html

第3回 辛さを受け止める(2)
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/193431494.html

第4回 不安や恐怖について(1)
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/193650809.html


第5回 不安や恐怖について(2)(3)

◆子どもが怖い時に示す2つのパターン
恐怖に襲われたとき、子どもには大きく2通りのパターンがあります。
@おびえたり、こわがったりする様子が明らかに見える状態
Aあっけらかんとしていて、元気でいて、なんでもないようにみえる状態

おびえたり、こわがったりする様子を示すお子さんを、大人は、こんなにおびえてしまうなんて、深い心の傷を負ってしまい、大変な事になるのではないかと心配になるかも知れません。
でも、本当に恐い体験をすれば、@のように、ショックを受けて、過敏になるのは当然なのです。

◆@おびえる子どもの状態の意味
大人だって、余震にさらされていると、いつも身体が揺れているように感じる人もいます。
普段とは違う眠りになっている人も多いと思います。

子どもはもっとそうです。
地震警戒情報のベルが鳴ると、大人は急に真顔になって、恐い顔をします。
また、地震の揺れが来ると、一番ひどかった揺れのときに起きた恐かった感覚が蘇ります。
テレビでは、地震や津波の映像が絶え間なく流れてきます。
津波の映像は流石に減ってきました。でも、大変な映像がこれでもかと流れてきます。

大人は今起きたものか、以前に起きたものかの区別ができます。
文字が読めなかったら、いつ起きたことかは、分かりません。
そして、一緒に見ている大人たちは笑い顔が消え、真剣な眼差しでそれを眺めます。
1週間経過した中のテレビ映像の中には、まだ、豆粒のようですが、人が流されていく姿が写り込んでいるものがありました。
大人は多分、それに気付かないのでしょう。
テレビのディレクターは気づいていないの で、放映してしまうのでしょう。
子どもの中には、それに気付いてしまう子どももいるかも知れません。
傍らにいる大人は、繰り返し水素爆発をする原子力発電所を恐がって見ています。
それは繰り返し、繰り返し爆発しています。毎日、ヘリコプターや消防車がそこに水をかけています。
繰り返し繰り返し、いつまで経っても消えません。

被災地が近いほど、この映像は大人を混乱させます。
子どもは、恐がる大人の姿を見て、もっと恐く感じます。


そのような不快感を含めて、言葉で表現できない幼い場合ほど、この感情が強いほど、言葉では説明できません。

態度で示さないと、周囲の大人には、自分が恐いことを分かってもらえません。
ぐずったり、泣いたり、逃げ回ったり、怒ってみたり―
そのように振舞うようになるのは、ごくごく当たり前なのです。
この状態は、完全に安心だと感じるようになってから、数か月で消えていきます。
それまでの期間を、急性ストレスと呼びます。
恐いときに、恐いと表現すること、これはむしろ健康なのです。

◆@おびえる子どもにできること
おびえを表すお子さんには、 安心を与えるよう、 よりそいましょう。
いつもより、 幼い状態を示したり、大人を困らせたりすることがあるかもしれません。
これは、幼く扱ってほしい、面倒をみてほしいということです。
ですから、お子さんの傍らにいて、安心を与えることを、第 1に考えてください。

「泣いてもいいんだよ」「怒って もいいんだよ」「怖がってもいいんだよ」「守りたいんだよ」
という気持ちで関わりたいですね。


(3)あっけらかんとしている子ども

◆Aあっけらかんとしている子どもの状態の意味
これはショック を感じないようにして、身を守る防衛が働いている姿かも知れません。
お子さんは、そのようにして、ちゃんと身を守っているのだと理解したいと思います。

ところが、大人が安全とおちつきをとりもどしたころになってから、ぐずぐず言い始めたり、わがままなふるまいをしたりすることがあります。
むしろ、それはよいことだと認識しましょう。


それまで恐さを周りに表現できなかったのです。表現するのを我慢していたのです。
大人のことを心配していて、迷惑をかけないようにしてくれていたのかも知れません。
ありがたいですね。

◆Aあっけらかんとしている子どもにできること
あっけらかんとしているからといって、恐くない、大丈夫だとは考えず、あたたかく接しましょう。
お子さんにかける言葉に込める気持ちは、皆、同じです。
「大丈夫だからね」「守るからね」というような心持ちで、そんな眼差しで、見守ってください。

後で、わがままがでてきたら、後で、不安が出てきたら、身体に症状が出てきたら、そこで、できることは、おびえる子どもにできることと同じになります。
わがままをすべてOKすることはないのですが、わがままを言いたい、甘えたい、ことを受け止めるのです。

でも、今、あっけらかんとして、平静だからといって、必ず、後でおかしくなるなんて考えないでください。
とてもタフなお子さんかも知れません。とても神経が太い大器晩成かも知れません。



[被災地でできる子どもの心のケア 了]

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次回は「全国でできる子どもの心のケア」となります。
これは被災地以外の子どもへの文章になりますが、大人同士にも有効な働きかけができます。

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大田区下丸子にも一人暮らしをしている方が多くいます。

ご家族に連絡をしたり、友人とバカ話をしたりしてください。

それでも精神的にも物理的にも暗い夜道が怖かったら、遠回りでも商店街を通ったり、心身の自衛をはかってください。

また、商店街で夜も営業しているお店は、受け入れる姿勢を示してください。
これは店舗ごとの工夫だけでは難しいですから、地域でアイデアを出し合ってみてください。
これを機会に、地域での触れ合いも増えれば、少しは明るい材料になるでしょう。

私が夜、マスターをしている柊は、商店街から離れていますが、看板の明かりにほっとした、といってくれたお客様も何人もいらっしゃいます。

誰のための自粛か、これを考えましょう。

少しいやな考え方ですが、次になにかあったとき、経済や経営を圧迫しすぎないような自粛の仕方を得ることも重要な社会貢献だと考えます。

まっとうな考え方をする者が、ヒステリックな論調に負けない「声」を持っておくことも、これからは必要になると思います。

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付け加えるならば、アドバイザーの仕事でよく聞く

「うちはこのままでいい」

は、本当に届けなくてはいけない声を小さくし続けます。

お客様のために、家族のために、地域のために、後に続く同業者のために考えなくてはいけないのではないでしょうか。

確かに、このような「心がけ」の部分からわざわざセミナーを開いたり、高額な料金を取る半ば悪徳なコンサルタントがいたりすることも問題です。

この程度の話でしたら、私は毎日、柊でさせていただいています。
(いろいろ脱線したりしますが)

地域の方でしたら、呼ばれればお茶でも飲みながらする程度の話しです。
ネットを使えれば抽出できる程度の話しです(これが難しく、ある程度のスキルとリテラシーがいるんですが)

身近なすべてを見直してください。

今よりも笑顔の多いあなたになるヒントは、すぐそばにあるはずです。

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喫茶柊 ホットペッパー版
http://www.hotpepper.jp/strJ000608458/
夜のマスター(銀河微中年)
大田区下丸子での略歴
丸子幼稚園→矢口西小学校→矢口中学校という生粋さを持つ
いずれもうちから3分以内に行けますしね。

私は月−金 17時から颯爽登場しています。
土日祝は夜の部はないですが、希望があり、仕事が詰まってなければ開けます。
来店時に「ブログ読んだ」「実はフォロワー」など、ウェブ的なつながりを明かしてくれるとスムーズです(?)
※帰る寸前に、「ブログ、読んでます」といわれてあたふたしたことがあるので


ちょっと下丸子は遠い、あるいはシャイなあなたのために

渡辺英輔 メールアドレス

eisuke41@gmail.com


facebook
http://www.facebook.com/EisukeWatanabe

twitter
http://twitter.com/HIIRAGI1978

アメブロ
http://profile.ameba.jp/nabe-rx/

柊ブログ
http://hiiragi1978.seesaa.net/

使っていなくても、必ずチェックはしています。



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【心理的支援 PDF】
サイコロジカル・ファースト・エイド(PFA)は地震直後などに行うことのできる効果の知られた心理的支援の方法を、必要な部分だけ取り出して使えるように構成したものです。
http://p.tl/zmaT
これから個人でボランティアに行くつもりの人は読んでおいてください。






posted by マスター at 04:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 震災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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